ラッフルズでシンガポールスリングに酔う
クアラルンプールからマレー鉄道に乗った。目指すはシンガポールのラッフルズホテル。車窓の景色を眺めながら、楽しそうに騒ぐヨーロッパの若者に、「ねえ、あんたたち少し静かにしてよ。雰囲気を楽しんでいるんだから」とチクリ。イギリスのやんちゃ坊主は肩をすくめていたが、まわりは心持静かになった。
シンガポールに着くと、先ずラッフルズに駆け込んだ。ここに泊まれなければシンガポールに来た意味が(殆ど)ない。ところがガックリ、部屋は満室だった。泣きながら周囲のホテルを見て回る。すると何と『京都ホテル』という懐かしい名まえの看板が見えた。
結局ラッフルズのそばに建っている『京都ホテル』に三日間泊まり、毎日ラッフルズに入り浸る。ヘミングウェイやサマセットモームが愛したライターズバーでシンガポールスリングを飲み、素敵な中庭を見渡すカフェでお茶をする。ああ、いつか私もこのホテルに長期滞在して、執筆活動に励めたらいいな、なんてありえない想像をしながら。
旅というものは、いろんな場所に体を運んでくれるだけではなく、その場所で過去に起こった出来事、人々、そういったものとの心の繫がりというものをもたらせてくれる。欧米文学をこよなく愛した私は、ラッフルズホテルで偉大なライター達のスピリッツを感じ、時間を共有できた。
シンガポール観光はそれなりにすませたが、最も好きだった場所は『蘭の植物園』だった。あらゆる種類の蘭が美しく咲き誇り、時間があればもっとゆっくり観賞したかった。
必ず今度はラッフルズを予約してシンガポールに戻り、再びライターズバーでシンガポールスリングを飲み、物凄いミステリーを書くぞ! そうよ、次は絶対に『京都ホテル』でお茶を濁さないぞ、なーんて、あれ以来づっとリベンジを考えているのである。

シンガポールに着くと、先ずラッフルズに駆け込んだ。ここに泊まれなければシンガポールに来た意味が(殆ど)ない。ところがガックリ、部屋は満室だった。泣きながら周囲のホテルを見て回る。すると何と『京都ホテル』という懐かしい名まえの看板が見えた。
結局ラッフルズのそばに建っている『京都ホテル』に三日間泊まり、毎日ラッフルズに入り浸る。ヘミングウェイやサマセットモームが愛したライターズバーでシンガポールスリングを飲み、素敵な中庭を見渡すカフェでお茶をする。ああ、いつか私もこのホテルに長期滞在して、執筆活動に励めたらいいな、なんてありえない想像をしながら。
旅というものは、いろんな場所に体を運んでくれるだけではなく、その場所で過去に起こった出来事、人々、そういったものとの心の繫がりというものをもたらせてくれる。欧米文学をこよなく愛した私は、ラッフルズホテルで偉大なライター達のスピリッツを感じ、時間を共有できた。
シンガポール観光はそれなりにすませたが、最も好きだった場所は『蘭の植物園』だった。あらゆる種類の蘭が美しく咲き誇り、時間があればもっとゆっくり観賞したかった。
必ず今度はラッフルズを予約してシンガポールに戻り、再びライターズバーでシンガポールスリングを飲み、物凄いミステリーを書くぞ! そうよ、次は絶対に『京都ホテル』でお茶を濁さないぞ、なーんて、あれ以来づっとリベンジを考えているのである。
