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インドの旅で出会った慈悲深い人々

三月を過ぎるとフライパンの上にいるような暑さに襲われるインドの個人旅行は過酷です。でも、そこで出会った心優しいインドの人々のことは、印象深い風景と共に心の中に生き続けています。

デリーからムンバイの東350kmの場所にある、アジャンタ石窟への観光拠点アウランガバード(Aurangabad)まで汽車の旅をしました。三日間づっと汽車に乗り続けていたのですが、うっかり食べ物を携帯するのを忘れていました。

通路を隔てた隣の四人かけのシートに四、五歳位のかわいらしい女の子を連れた夫婦が乗っていました。食事の時間になると毎回必ず私の名前を呼んで、ナンにカレー味の野菜を載せたものを分けてくれました。もし、あの優しい奥さんに出会わなければ、飢え死にしていたかもしれません。

インド国内では「Gate City」と言われ、52の門があるアウランガバードに到着したとき、それまでの疲れが出て駅で倒れてしまいました。気がつくと駅の中にある静かな部屋に寝かされていて、目の前に慈愛深き瞳をした美しい女性が座っていました。汽車の中でも会った彼女は女医さんで、づっと見守ってもらっていたとのこと。

元気になってアジャンタ石窟寺院行きのバスでデカン高原を走っているとき、一本の木の下に座っているターバンを巻いたおじいさんの後姿が見えました。そのとたん、デリー駅で荷物運びをしていたおじいさんが、駅で売っている甘いチャイ(ミルクティ)を差し出してごちそうしてくれたことを思い出しました。五パイサのチャイ代は彼にとって決して安いものではないのに…… あのチャイの味を思い出したとき、デカン高原の雄大な景色が滲んで見えました。

インドは旅をしているだけで、真摯な気持ちで自分に向き合える場所です。

               インド デカン高原



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海 夏碧

Author:海 夏碧
自分の足で歩き回った国は60ヶ国以上、ニューヨークとLAで会社勤めを経験。一人で子育てをしながら、外資系の会社の管理職を歴任。アイスバーンを運転してスキー場に行き、タンクを背負ってサンゴ礁を遊泳。目下、楽しめる起業を模索中。


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