思い出の品を捨てられない人
1万5千円くらいでトランクルームを借り、そこに物をしまっておきながら、突然ルーム代の支払いが止まる例が増えているという。借主が死亡したり、行方不明になったりしたのであろう。
家族の写真や、子供の小さい頃の思い出の品などが、引き取り手のないまま処分をされてしまう。他人にとっては価値の無いものでも、本人や、どこかにいるであろう家族にとっては懐かしい物ばかりだ。
今の世の中、どんどん不用品は捨てて、身の回りをすっきりさせることが賢い生活の仕方だと喧伝されている。確かに、えいやっと物が捨てられたら楽だろうな、と思う。けれど捨てられないのだ。特に子供の思い出が宿っている物は。
引越しを考えているので、物の処分に頭を悩ましている。ダンボールに入れたまま眠っている物の多くは、大学も含めて、子供の学校時代の物だ。絵画展で賞をもらった絵なども残っている。親子二人分の本も大量にある。
捨てられない自分が、優柔不断な愚か者のように思われてならなかった。そんなとき目にしたある記事の一節、『物が捨てられないという優しい人達も多い』。うれしくなった。何だ、優しい人だったんだ。
サザエの壷焼きを食べるとき、蓋について硬い美味しい部分が出てくるが、その下にモヤっと軟らかい黒い部分がくっついてくる。捨てられない物はあれに似ている。人に食べられるとき、ようやく一蓮托生で姿を消すのだ、(優しい人にとって)。

家族の写真や、子供の小さい頃の思い出の品などが、引き取り手のないまま処分をされてしまう。他人にとっては価値の無いものでも、本人や、どこかにいるであろう家族にとっては懐かしい物ばかりだ。
今の世の中、どんどん不用品は捨てて、身の回りをすっきりさせることが賢い生活の仕方だと喧伝されている。確かに、えいやっと物が捨てられたら楽だろうな、と思う。けれど捨てられないのだ。特に子供の思い出が宿っている物は。
引越しを考えているので、物の処分に頭を悩ましている。ダンボールに入れたまま眠っている物の多くは、大学も含めて、子供の学校時代の物だ。絵画展で賞をもらった絵なども残っている。親子二人分の本も大量にある。
捨てられない自分が、優柔不断な愚か者のように思われてならなかった。そんなとき目にしたある記事の一節、『物が捨てられないという優しい人達も多い』。うれしくなった。何だ、優しい人だったんだ。
サザエの壷焼きを食べるとき、蓋について硬い美味しい部分が出てくるが、その下にモヤっと軟らかい黒い部分がくっついてくる。捨てられない物はあれに似ている。人に食べられるとき、ようやく一蓮托生で姿を消すのだ、(優しい人にとって)。
