一匹の狂犬のために傷ついた無数の心―― トルコの悲劇
カッパドキアで起こった日本人女子大生殺傷事件の犯人が逮捕された。たった一人の、というか一匹の狂犬のために被害者のご家族を始め、無数のトルコの人々が傷ついている。
トルコの親日度は半端ではない。事件の現場に置かれた多くの花束や、人々が掲げたメッセージがそのことを物語っている。
サモス島から船でトルコのクシャダスに着いたとき、『一体この国で、私は何なんだろう』と思った。ギリシャを旅していたときは一介の旅行者として扱われていたが、トルコに入った途端VIPになったような気がしたのだ。
両替で銀行に行くと、仕事そっちのけで行員たちが集まってきて日本のことを尋ねた。クシャダス港の向こうに広がるエーゲ海を眺めながらお茶を飲んだ後出ようとすると、「店の驕りです」と言って支払いを拒否された。
エフィソスのローマ遺跡に行き、庭に張り出したカフェのテーブルに座った途端、冷えたコーラが運ばれてきた。不審に思ってウェイターに聞くと、「あちらの方から」。あちらを見ると、若者が控えめに手を挙げていた。

トルコ (トリップアドバイザー提供)
ボスポラス海峡を渡る船のデッキに立ってアジアとヨーロッパの両方の景色を味わっていると、立派な紳士が大声で一席ぶった。「日本のお客様が立っておられるのに、誰も席を譲る者はいないのか」 好きで立っていたのに……
オスマン帝国の最初の首都として名高い、緑の美しい街ブルサでは、小学校高学年くらいの二人の男の子が観光案内をしてくれた。子供なのに入場券や飲み物代を払うと言ってきかなかった。親の親日度が子供にまで受け継がれているのだ。
今度の事件は本当に悔しい。犠牲になられた方のご冥福を心の底よりお祈りする。この事件をきっかけに、安全と言われている国でも場所でも、狂犬に襲われる可能性があるということを肝に銘じたし、多くの女性にも肝に銘じていただきたい。
それと共に、トルコを嫌いにならないでほしい。近辺諸国からわが国の過去の悪行を世界に向けて喧伝されている今、『日本は愛するに足りる国だ』と保証してくれているトルコは、いつにも増して大切な友人だ。

イスタンブール (トリップアドバイザー提供)
トルコの親日度は半端ではない。事件の現場に置かれた多くの花束や、人々が掲げたメッセージがそのことを物語っている。
サモス島から船でトルコのクシャダスに着いたとき、『一体この国で、私は何なんだろう』と思った。ギリシャを旅していたときは一介の旅行者として扱われていたが、トルコに入った途端VIPになったような気がしたのだ。
両替で銀行に行くと、仕事そっちのけで行員たちが集まってきて日本のことを尋ねた。クシャダス港の向こうに広がるエーゲ海を眺めながらお茶を飲んだ後出ようとすると、「店の驕りです」と言って支払いを拒否された。
エフィソスのローマ遺跡に行き、庭に張り出したカフェのテーブルに座った途端、冷えたコーラが運ばれてきた。不審に思ってウェイターに聞くと、「あちらの方から」。あちらを見ると、若者が控えめに手を挙げていた。

トルコ (トリップアドバイザー提供)
ボスポラス海峡を渡る船のデッキに立ってアジアとヨーロッパの両方の景色を味わっていると、立派な紳士が大声で一席ぶった。「日本のお客様が立っておられるのに、誰も席を譲る者はいないのか」 好きで立っていたのに……
オスマン帝国の最初の首都として名高い、緑の美しい街ブルサでは、小学校高学年くらいの二人の男の子が観光案内をしてくれた。子供なのに入場券や飲み物代を払うと言ってきかなかった。親の親日度が子供にまで受け継がれているのだ。
今度の事件は本当に悔しい。犠牲になられた方のご冥福を心の底よりお祈りする。この事件をきっかけに、安全と言われている国でも場所でも、狂犬に襲われる可能性があるということを肝に銘じたし、多くの女性にも肝に銘じていただきたい。
それと共に、トルコを嫌いにならないでほしい。近辺諸国からわが国の過去の悪行を世界に向けて喧伝されている今、『日本は愛するに足りる国だ』と保証してくれているトルコは、いつにも増して大切な友人だ。

イスタンブール (トリップアドバイザー提供)