ルーマニア、特にブカレストに行く人、(或いはウクライナ等東ヨーロッパに行く人)気をつけて。悲しい目をした野犬が通りをうろつき、うなり声を上げながら人に咬みつく事件が頻発している。
1989年にソ連が崩壊したとき、ブカレストでは都市の再開発が行われ、多くの人が一軒家からアパートに移った。そのとき捨てられた犬が、野犬として年々増え続けたのだ。
人口二百万人のブカレストにいる野犬の数は4万から6万4千匹だといわれている。今年の8月までに9,760人の人が野犬に咬まれ、その四分の一は子供だ。
近年、ブカレストに住む女性が野良犬の集団に襲われ死亡した。又、日本人旅行者が野良犬に足を咬まれた後、亡くなっている。
ブカレスト (トリップアドバイザー提供)
先週、4歳の男の子が野犬に咬まれて死亡した後、多くの市民が立ち上がって当局に改善を訴えた。しかし、野犬を殺処分しろという案に対して、動物愛好家は強く反対をしている。
2001年までに、愛好家グループは10,400匹の犬に虚勢手術を施したが、増加する数には追いつかず、費用もかかる。当局もブカレストの民意が二部されている現状では、まだ抜本的な解決策を見出していない。
この話はよそ事ではない。日本では平成22年の一年間だけでも、213,607匹の犬と猫が殺処分をされている。捕まった犬や猫のうち、飼い主に引き取られた数は66,882匹、31.3%だった。重い現実である。
家族同様にかわいがられ、今老後を迎えている友達の家のビーグル犬はとても優しい目をしている。