8月12日、FBIは、アラスカの連続殺人犯イスラエル・キースの最新の情報をタイムラインに公開した。34歳のキースは昨年暮れに独房で自殺をしたが、その前に11人を殺害したと想定されている。
情報公開の目的は、アメリカ国内での未解決事件に別の角度から光を当てて解決を目指すことと、「まだ知られていない被害者を特定し、その家族に真実を知らせることだ」とのこと。
キースは2001年7月から2005年の間に、ワシントン州で或るカップルを殺したと供述した。又彼は旅行中しばしばあちこちの売春婦と接触をしていたが、それに関連した殺人が行われたかどうかは不明である。
キースはまた、2005年と2006年の間に二件の殺人を犯し、ワシントン州ポートエンジェルス近くにあるクレッセント湖に遺体の一つを投げ入れた、と捜査官に語った。
2012年2月、アンカレッジのコーヒー店で働いていた18歳のサマンサ・ケーニッヒは、直接店からキースに拉致された。彼女をレイプし絞殺した罪で逮捕されたキースは、同年末、連邦裁判を待っていたときに自殺した。
キースはこの他にもあちこちの州で少なくとも7人を殺したと告白していた。FBIは、キースは少なくても11人を殺害し、その全ては見知らぬ他人だったと把握している。
殺人以外にもキースは、旅行の資金を得るために数ヶ所の銀行に押し入った。また、アメリカ全土で30軒以上の民家を襲い、犯行隠滅のために家に火を点けて遺体ごと焼き払ったこともあったと述べた。
1997年か1998年に十代の少女を拉致してから、2012年にサマンサを拉致して殺すまでの15年間、(ある識者いわく)殺人中毒者が野放し状態になっていたということにゾッとする。
キースが各事件の容疑者として浮上しなかったのは、次々と旅をしていたこともあるが、見た目がごく普通の白人青年だったということも関係しているのではないか。
アメリカで職務質問をされる人の8割は、黒人かヒスパニック系の人々だとのこと。キースの事件を契機に、人種に対する偏見を無くして職務質問に当たる機運が芽生えるのではないか、と期待する。
それにしても、キースのような殺人嗜好者のメカニズムを解明して、犯罪抑止力に寄与するチャンスが彼の死によって失われたのは惜しい。モンスターともいうべき殺人者を24時間体制で見張ることはできなかったのだろうか。
キースは海外旅行もしていたが、海外で殺人を犯したかどうかは分かっていない。万一マカオ辺りで言葉を交わしていたとしても、好青年だと思った可能性大。『人は見かけが九割』に惑わされると、想定外の死に至ることもある。