顔が歪むくらい疲れると

先日、何とか頼みこんで定時で仕事を終えて、歯医者に行った。診察台の上に寝そべっている私に、レーザーを手に持った先生が聞いた。「今のお仕事、どない？」　先生の大阪弁はかわいい。

私はとっさに答えた、顔を歪めながら。「蟹工船よ！」　その途端、先生は大笑い。「そりゃ又、おおげさな」と言いながら暫く笑っていた。レーザーが変なところに当たったららどうしようかと一瞬身構えた。

連日8時頃まで残業をさせられる日々が続いている、それも中身はみっちりと濃い。ＩＴ関連などの会社で深夜まで仕事をさせられている人々が、過労のため体を壊して会社を辞めたり、中には自殺をしたりした人もいるという現実の重さが実感できる。

私は今日も含めて出社するのは後7日なのでいいが、終わりのない状況で過酷な労働条件下で働かされている人々、特に若者のことを考えると胸が痛む。『現代の蟹工船』は某大手ＩＴメーカーの下請け会社などで実在する。

疲れすぎると顔の括約筋が変化して歪む。それと共に心も歪んでろくなことを考えないようになる気がする。人に対しても『ふん、何よ』的状態になり、寛容さが足りなくなる。しんどいからだ。

「何よ、たった8時までの残業で大げさな」と一喝されそうな気がするが、ノルマノルマを言われて追い立てられている多くの会社員の状況を考えると、『不機嫌な職場』が横行しているのも頷ける。うーん、分かってきたぞ。