丑の日とトラウマの日
今日は土用の丑の日、そう、鰻を食べる日です。
夕飯に美味しい鰻重を食べていると、テレビで鰻が不足しているニュースが流れました。
昔は、自然の鰻が川にたくさんいたものです。
小学校四年生の夏休みに入ってすぐの早朝、ザルを持った一年生の弟を引き連れて川に急ぎました。
前の夜、ミミズをつけた針を土手の下に仕込んでおいたのです。
さっそく土手にはり付くようにして、糸を手繰り寄せると確かな手応え。
これは大物だ! 夢中で糸を引っ張ると大きな細長い物体が姿を現しました。
「蛇だ!」と叫んだ私は糸を川の中に投げ入れようとしたのですが、よく見ると大きな鰻!
必死で糸をたくし上げると、鰻は一メートル以上もある、その全身を現しました。
「早く、カゴを出して!」と弟に命令をしたその時、何と鰻は川の中にポチャリと落ちてしまいました。
「カゴを出すのが遅い!」と言って、弟の頭をピシャリと一発。
シクシクと泣きながら後をついてくる弟と、正しく『逃げた獲物は大きい』の鰻の姿は、毎年この時期になるとジワリと瞼の裏に蘇ります。
そして弟にとって丑の日が、全女性に対するトラウマの日になっていないことを願うばかりです。
夕飯に美味しい鰻重を食べていると、テレビで鰻が不足しているニュースが流れました。
昔は、自然の鰻が川にたくさんいたものです。
小学校四年生の夏休みに入ってすぐの早朝、ザルを持った一年生の弟を引き連れて川に急ぎました。
前の夜、ミミズをつけた針を土手の下に仕込んでおいたのです。
さっそく土手にはり付くようにして、糸を手繰り寄せると確かな手応え。
これは大物だ! 夢中で糸を引っ張ると大きな細長い物体が姿を現しました。
「蛇だ!」と叫んだ私は糸を川の中に投げ入れようとしたのですが、よく見ると大きな鰻!
必死で糸をたくし上げると、鰻は一メートル以上もある、その全身を現しました。
「早く、カゴを出して!」と弟に命令をしたその時、何と鰻は川の中にポチャリと落ちてしまいました。
「カゴを出すのが遅い!」と言って、弟の頭をピシャリと一発。
シクシクと泣きながら後をついてくる弟と、正しく『逃げた獲物は大きい』の鰻の姿は、毎年この時期になるとジワリと瞼の裏に蘇ります。
そして弟にとって丑の日が、全女性に対するトラウマの日になっていないことを願うばかりです。