郷愁を誘うエクス・アン・プロヴァンス
エクス・アン・プロヴァンスの朝市は素敵だ。紅葉した大きな木立の間に、ありとあらゆるフランス料理の素材が並ぶ。普通の人たちが、ランチとディナーの献立を考えながら、食材を選んでいる。ごくありふれたプロヴァンスの日常。
後ろ髪を惹かれながら通り過ぎて、街はずれの坂を登ったところにある、セザンヌの家を目指す。一度はパリに出たが、こよなく愛するエクス・アン・プロヴァンスに戻ってきて絵を描き続けたセザンヌ。生前の彼の面影を偲ぶべく、この場所に来た私。
街を背中にして最後のロータリーで足が止まる。ずっと以前ここに立った記憶がある。シックな壁と屋根の家々、プラタナスの梢を吹き抜けてきた風が頬を撫でる、突き抜けるような青空。何だろう、この胸のざわめき。
セザンヌのアトリエには、彼の描いた絵画に出てくる様々な品物が置いてあった。そして使いかけの絵の具、キャンバス、バッグ等々。伝わってきた画家その人の生きる姿勢。親戚の家にいるような、親しみを感じたのはなぜだろう。
家を取り巻く庭には数匹の猫がいた。赤や黄色の梢の下にあるベンチに座って、暫し空間をミニトリップ。生きた足跡をくっきりと残せた偉大な画家が過ごした場所を、時空を超えて共有できた幸せを噛み締めた。ささやかでもよい、自分も生きた足跡を残したい、と思いながら。

プロヴァンス (トリップアドバイザー提供)
後ろ髪を惹かれながら通り過ぎて、街はずれの坂を登ったところにある、セザンヌの家を目指す。一度はパリに出たが、こよなく愛するエクス・アン・プロヴァンスに戻ってきて絵を描き続けたセザンヌ。生前の彼の面影を偲ぶべく、この場所に来た私。
街を背中にして最後のロータリーで足が止まる。ずっと以前ここに立った記憶がある。シックな壁と屋根の家々、プラタナスの梢を吹き抜けてきた風が頬を撫でる、突き抜けるような青空。何だろう、この胸のざわめき。
セザンヌのアトリエには、彼の描いた絵画に出てくる様々な品物が置いてあった。そして使いかけの絵の具、キャンバス、バッグ等々。伝わってきた画家その人の生きる姿勢。親戚の家にいるような、親しみを感じたのはなぜだろう。
家を取り巻く庭には数匹の猫がいた。赤や黄色の梢の下にあるベンチに座って、暫し空間をミニトリップ。生きた足跡をくっきりと残せた偉大な画家が過ごした場所を、時空を超えて共有できた幸せを噛み締めた。ささやかでもよい、自分も生きた足跡を残したい、と思いながら。

プロヴァンス (トリップアドバイザー提供)