一昨日、南ドイツ出張中の上司から電話がかかってきて、雪がふっていて物凄く寒いと言っていた。まだ十月なのに、紅葉はどうなっているのでしょうね。
11月の初旬、十日間ほど南フランスを中心に旅をしたときは、まだ十分紅葉が楽しめた。寒いアムステルダムからマルセイユに着くと空気がとっても暖かく感じられ、肩の力が抜けた。
ホテルをチェックアウトするとき、虎の巻を見ながらフランス語で「ビザカードは使えますか」と言うと、その場にいたフランス人全員が手を叩いてくれた。さっそく、「メルシー」と言うと、今度は笑顔が返ってきた、マルセイユにて。
エクス・アン・プロヴァンスの小さな美術館では、日本から来たと言うと、職員みんなが集まってきた。そして、フランス語のような、多分英語で、ていねいに美術館のハイライトを教えてくれた、にこにこと。
ニースで、シャガール美術館と間違えて、地方自治体の建物に入っていくと、居並んだ職員がクスクス笑った。その中から、元気なマダムが出てきて、英語で誇らしげに、「フォローミー!」。ついていくと、外にいた男性に美術館を教えてあげてと言って、私を預けた。その際、フランス人同士ふざけて英語で喋り合い、異邦人(me)も交えてクスクスクス。
大都市パリと大観光地モン・サン・ミッシェルで会ったフランス人と比べて、南の人たちは、ほんと、かわいらしかった。同じ国かしら?プロヴァンスとエーゲ海の風に吹かれて、フランスが好きな国のトップに躍り出た。
アビニョンの街で焼き栗を買い、食べながら紅葉した街路樹の下を歩いた。すこぶる美味。前から来たおばあちゃまにお裾分けすると、「おやおや、メルシー」とにっこり。あの笑顔、プロヴァンスの何よりのお土産になっている。