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オバケ屋敷でオバケに謝る中間管理職の悲哀

以前、全国的に営業展開をしている会社に勤めていたとき、日本全国の社員一同が、社員旅行で熱海に集結した。さっそくみんなで、熱海後楽園のオバケ屋敷に入った。

怖いので、前の人の体に次々と腕を回してムカデ状になり、十人位で一列になって入った。ところが何時の間にか、私は一人になっていた。待ちかねていたように、さっそく前から、長い髪をした特別不気味なお化けが近づいてきた。

断末魔のような悲鳴が屋敷中に響き渡った、もちろん私の。何度も叫ぶので、うるささにたまりかねたのか、オバケがお尻を見せて逃げようとした。その時、私の足がまるで脚気のテストの時のように、勝手に跳ね上がった。そしてあろうことか、オバケのお尻を蹴り上げたのだ、それも思いきり。

その途端、オバケはクルリと振り向くと、長い髪の毛と怖いお面を剥ぎ取って、叫んだ。
「何しやがんでぇ、この女(あま)!」お面の下から出てきたのは、オバケより数段怖い顔をしたオヤジ。ヒェー、一難去ってまた一難と思ったとき……

「まあまあ、ここは私に免じて何とか……」と言いながら出てきたのは課長。『どこにいたのよ、もっと早く出てきてよ』と腹の中で毒づいた私。

課長はオバケならぬ茹蛸オヤジに名刺を差し出して、ぺこぺこ頭を下げて謝っている。オバケも出鼻をくじかれたのか、又ズボッと商売道具一式を頭からかぶると、仕事に戻った。

オバケ屋敷の前を通るたびに、「何しやがんでぇ、この女(あま)!」と言ったオバケと、名刺を持って出てきた課長を、懐かしく思い出す。
                                                                                 ユニバーサルで遊ぶ人々
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プロフィール

海 夏碧

Author:海 夏碧
自分の足で歩き回った国は60ヶ国以上、ニューヨークとLAで会社勤めを経験。一人で子育てをしながら、外資系の会社の管理職を歴任。アイスバーンを運転してスキー場に行き、タンクを背負ってサンゴ礁を遊泳。目下、楽しめる起業を模索中。


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