鞭と飴
オーストラリアの青年をイタリアンパブに送り込んだ後、彼からメールが来た。「だんだん慣れてくると、この仕事が天職のように思えてきた。将来この店のようなレストランのオーナーになりたい。日本にずっといたいけど、ビザの期限の問題があるので……」
ギョッとした。オーストラリアで今度大学三年になる彼は、来年授業がスタートする。「ダメ!ビザが切れたら延長など考えないで、すぐに国へ帰りなさい。会計学を全うして、アメリカの公認会計士になる道を忘れてはだめ。人生を固めるときよ!」

出した後、しかし、と考えた。会計学より音楽が好きで、あれこれ吹けるがトランペットもやりたいと言っていた。きつい返事を出した後、しゅんとしている姿を想像して再度メールを送った。それも又素敵な考えね、と書いて。
すると程なく彼から返事が来た。「やはり、オーストラリアに帰って会計学を収めるのが先だと考えた。レストランのことは将来考えます」 良かった! 最初出したメールは鞭、後から出したメールは飴、鞭だけでも、かと言って飴が過ぎても駄目なのね。
ギョッとした。オーストラリアで今度大学三年になる彼は、来年授業がスタートする。「ダメ!ビザが切れたら延長など考えないで、すぐに国へ帰りなさい。会計学を全うして、アメリカの公認会計士になる道を忘れてはだめ。人生を固めるときよ!」

出した後、しかし、と考えた。会計学より音楽が好きで、あれこれ吹けるがトランペットもやりたいと言っていた。きつい返事を出した後、しゅんとしている姿を想像して再度メールを送った。それも又素敵な考えね、と書いて。
すると程なく彼から返事が来た。「やはり、オーストラリアに帰って会計学を収めるのが先だと考えた。レストランのことは将来考えます」 良かった! 最初出したメールは鞭、後から出したメールは飴、鞭だけでも、かと言って飴が過ぎても駄目なのね。
