ミジンコになった気分が、人生いろいろ

算盤一級のテストの申し込みに大阪商工会議所に行った。すると、何と、司法試験が行われるとかでスーツ姿の人たちが受験番号を書いた板を持って右往左往していた。そう言えば、一度だけ受けた司法試験も五月の良き日だった。

一瞬、ミジンコになった気がした。云十年後、小学生も受ける算盤のテストを申し込みに来ている私……　4年の時に落ちた後、卒業式前にインドに行ったのがネックだった。あの国は人を悠久の世界に導く。離れてもなかなか元には戻れない。



もし司法試験を続けていた場合、二つのコースが考えられる。受かって弁護士になった場合、変な正義感が強いので、ヤバい事件に頭を突っ込みすぎて、今生きていない。後5回位受けて落ち続けた場合、失われた時を考えて喪失感に苛まれる暗ーい人生に。



簿記も受けなかったと思われるので、外資の経理マネージャーにはなれなかった。それにどちらのパターンでも、アメリカ、引いてはニューヨークで仕事をしていなかった。つまり、息子はいなかったことになる。バタフライエフェクトだ。

あの子は、私や双方の祖父母にどえらい量の喜びを与えてくれた。彼の未来を考えると、未だに心配と楽しみが一体となって血圧が上がるけど、人生の醍醐味もまた……　なあんだ、司法試験続けなくて良かったんだ。ミジンコ取り消し！