酸っぱいブドウの一日

今日は恐ろしい一日だった。友達と牡丹と藤が咲いているお寺に行く予定で朝から京都に行ったのに、行きつけなかったのである。「藤の花は終わりに近いと寂しい感じになるわよね」「牡丹は大き過ぎるし」と酸っぱいブドウの狐の会話をして帰って来た。



先ず阪急特急で桂まで行き、そこから準急に乗り換えて西院まで行く予定が、おしゃべりをしていて気が付くと四条河原町に着いてしまった。そこでバスで行くことにしてバス停を探した。すぐ見つからなかったので四条大橋を渡って、京阪の祇園四条からバスに乗り込んだ。

やれやれ、とホッと一息。ところが、またおしゃべりをしていて、目的のお寺を通過してしまい、バスは嵐山を走り抜けて、終点の苔寺へ到着。苔寺は予約が無いと入れない。近くの鈴虫寺に行くと、縁結びの寺だけあって、長蛇の若者の列が。

　　

縁を結びたい人でもいると長蛇の列もモノともせず並ぶけど、ちょっとそんな人思い当たらないしねえ。ブツブツ。

又バスに乗って京都市内中心部を目指す前に、既に渋滞が始まった。そこで松尾大社でバスを降り、阪急嵐山線に乗り桂まで行き、そこから特急で梅田まで帰って来ちゃった。眺めの良いレストランで美味しいランチを食べたんだけど、あれ今日どこ行ったんだっけ？

　　

結局電車でもバスでもおしゃべりに夢中になっていて楽しい時間は過ごせたし、嵐山の目に若葉の山々もバスの窓から眺めたし、恋愛成就を願ういじらしい若者の群も見たんだけど……　酸っぱいブドウの一日の言い訳にはならない。今度から下車寸前になると口を閉じようっと！