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クアラルンプールで、庭のすてきなプチホテルに泊まった。高いビル群を見上げながら、プールサイドのデッキチェアに寝そべり、ひんやりとしたレモネードを飲む。手にはペーパーバック。

庭が見渡せる天井の高いレストランで、マレーシア料理のランチタイム。すると突然、体格の良いヨーロッパ系男性が入ってきて、私のテーブルに近寄ってきた。年の頃は、中年と若者の間、困ったことに体がふらついている。

「君は僕の昔の恋人に似ている。彼女はチャイニーズだった」唐突にそう宣言すると、私の前の椅子に座ろうとした。

きりっとした顔立ちのインド系マレーシア人のボーイが、すっ飛んできて言った。「困ります。お客様に迷惑をかけるのは止めてください」
他のボーイも寄ってきて、彼を追い出そうと、白いマニラ麻らしきジャケットの肩に手をかけた。

「手を放せ! ただ、話がしたいだけだ」そう叫ぶと、彼はうるさそうにボーイの手を振り払った。アル中だろうか、ドラッグだろうか、そしてその原因は恋……

ウヮーと思った。世紀のラブストーリーを聞くチャンス、それも悲恋。(多分その頃は)若くてハンサムなヨーロッパから来た若者とチャイニーズ系の髪の長い少女。何、何、何があったのよ。私の好奇心は募るばかり。

でも、ボーイたちは私を無頼漢から守るべく、彼を追い出してしまった。仕事に忠実なのはいいけどさ、聞きたかったのよ、そのラブストーリー。
あーん、世紀のラブストーリーが書けたのに。これって、我がまま?

        マレーシア モスク
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この夏、カンボジアのアンコール遺跡に行く計画をたてていた。旅行社でビザの取得を頼むと結構な値段。そこで、自分で取ることにした。

大阪だと領事館に行けば簡単に取れるが、申請と引き取りの二回行かなければならない。時間的に会社を半日ずつ休まなければならないのでこれもペケ。

そうなると、東京の大使館にインターネットで申請をするしかない。ペイントで写真のバックにちょこっと写っていた木の葉を消すと、そこそこの証明写真ができあがった。後は申請書に貼り付けるだけ。

何がどう狂ったのか、申請書に貼り付けた写真は、ムンクの『叫び』のように縦長に歪んだ顔になった。おまけに唇もビュイーンとなり、かなり不気味。

でも一応枠内に納まっていたので、根が不精な私のこと、『こんな顔の人なんだと思ってくれるだろう』と願って、そのまま送付した。

翌日、会社から帰ってメールを見ると、『写真小さすぎるか鮮明ではありません』との苦情が大使館の写真部からきていた。やれやれ。仕方ないので、きちんと計算したサイズの写真を貼り付けた。何の変哲も無い私の顔。前の方がよっぽど面白いのに。

翌日やはり写真部からメールが送られてきて『写真、今度は大丈夫です。ビザを送ります』との旨が英語で丁寧に書かれていた。

たまたま同時期に、フェイスブックの友達の中にいつの間にか紛れ込んでいたカンボジアの若者から、「カンボジアへ来た事はありますか」と日本語をローマ字で書いたメッセージが入っていた。人が優しい国のようだ。

ポルポトの大量虐殺で多くの人が殺されたカンボジア。今でもたくさんの地雷が埋まっている。足がすくんで行けなかった国。でも、ムンクのビザ写真でカンボジアがグッと身近に感じられるようになった。

今年は行けなかったけど、来年はインディジョーンズになった気分で、アンコールワット遺跡をさ迷ってみたい。現地の人との交流も楽しみ。ようやく、一歩が踏み出せそう。

アンコールワット
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ホノルルの海岸沿いのホテルは素敵だ。ピンクフラミンゴと呼ばれるロイヤル・ハワイアンのテラスでハイティー、シェラトン・ワイキキで夕焼けに染まる海を見ながらカクテルを嗜む。横にはペーパーバックを置いて。

その中でも、お気に入りは真っ白なホテル、モアナ・サーフライダーだった。前回行ったとき、やはり真っ白なウェディングドレスの花嫁がホテルをバックに写真を撮っていた。次に生まれ変わったら私も、なーんて密かに考えちゃったわ。

ちょっとお手洗いにと思い、ドアを開けて中に。すると男子トイレだった。真っ赤になって出てくると、後から出てきた優雅な白いスーツのヤング・ジェントルマンが話しかけてきた。

何事かと振り向くと、その素敵な男性は腰を少し落として、あろうことかズボンの前ジッパーを引っ張るそぶりを見せた後、私のその部分を指差した。
『ヒェー痴漢!』と思いきやとんでもなかった。私のジッパーが下がっていると教えてくれたのだ。

せっかくのロマンチックな来世の想像が台無し。
あれ以来、白いモアナ・サーフライダーを見ると、ピンクフラミンゴになる私。

モアナ大
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子供が一歳八ヶ月のとき、おでこの出た子供に袋のような服を着せ、赤ちゃん妖怪『でこ袋』に仕立て上げ、ハリウッドのハロウィーンに連れて行った。

ハリウッド大通には、禍々しい妖怪達が闊歩していた。おなじみの13日の金曜日のジェイソン、地下室のメロディのフレディ、それにドラキュラやゾンビなどなど。ワクワクする。

さすがハリウッドだけあって、妖怪連のメーキャップも凝っていた。親が見ても逃げ出したくなるようなフランケンシュタインがよろけながら歩いている後ろを、気味の悪い長い鼻をした魔女が焼けた鉄板の上で踊るようなフリをしながらついて歩いている。カップルかしら、素敵。

子供は歩行者天国になっていた道路の端に立って、眉間に皺を寄せて闊歩する妖怪達を見ていた。どうやら、泣く時期を見計らっているらしい。

そのとき、マントを着たドラキュラ伯爵が子供の背後から近づいてきた。そして子供の真後ろに立つと、マントを大きく広げてポーズをとった。次の瞬間、子供はマントの中に吸い込まれていた。そのとたん、物凄い鳴き声がハリウッド大通に響き渡った。妖怪達が振り向いた。

ドラキュラはあわてて、マントを広げて子供を外に出した。物凄い顔をして泣いている『でこ袋』はちょっとやそっとで、泣き止みそうにない。困ったドラキュラは、しゃがみ込んで子供の顔の前に自分の顔を近付けて言った。「Sorry, sorry! Please don’t cry! (ごめん、ごめん、泣かないで)」

そのとたん、子供はひきつけを起こしたように、なおいっそう大声を上げて泣き始めた。口の端から牙を覗かせ、赤い血を流したドラキュラの顔を目の当たりにすると大人でもひきつけを起こす。うちの子、トラウマになったかも。

ドラキュラ伯爵は急いで立ち上がると、私とダンナに丁重に謝った後、しょぼんと肩を落として去っていった。あのとき、彼の鼓膜が破れたのではないかと、ハロウィーンの南瓜を見るたびに心配になる。

            ハロウィーン南瓜
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こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当山本です今日のテーマは「どうしても直せない癖ってある?」です。人から言われて初めて気付く癖ってありませんか?意識してやってるものではないので、直そうとしてもなかなか直せない…そんな癖を、一つや二つ持っているような気がしますっそんな山本の最近指摘されて、これは直さないと!と思ったものは「食べる前に匂いを嗅ぐ」癖です!外食等で美味しそうなものがあると、無...
トラックバックテーマ 第1538回「どうしても直せない癖ってある?」



あります。今ムードが悪そうな人に、場を読まずうっかりいらないことを言って、よけいムードを悪くさせるとか、

新聞社に就職が決まり、でもあまり騒がれたくない素敵なゼミの先輩に、キャンパスの銀座通りで「おめでとう!」と大声で言って、「もういいから」なんて言われたり(学生時代の苦い思い出)、

また、家のローンで固定金利にして高い金利を払っている人(私はそのことを知らない)に、ローン金利がいかに安くなったかをしゃべって、「その話はもう止めましょう」と言われたり……

要するにおっちょこちょいなのです。相手がブッとふぐみたいに膨れたら、急いで逃げて、その後自嘲気味に『赤恥のトナカイ』と言うのもくせ。この悪いくせ、治りそうにありません。

         新装開店阪急
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派遣社員でグァム島に行かされた会社から、帰国後正社員のオファーがあった。経理課での仕事は楽、職住接近、給料も悪くない、と働くママにとっては好条件。しかし……

“春の海、ひねもすのたりのたりかな”というのんびりした毎日で、かなり退屈。そんなとき見たのが東京の外資系会社の求人広告。探しているのは経理部長。

電話をすると即、デンマーク人の支社長に代わり、面接をしてもらえることになった。電話を切った後、アッと思い出し、もう一度電話をかけて訊いた。「新幹線代は出ますか」

当日、都心の会社で支社長と面接後、大手監査法人に行くために一緒にタクシーに乗った。車中、私のおしゃべりに、うんうんと言って答える支社長は赤毛のアンに出てくるマシュウのよう。よくしゃべる女だと、困っていたのだろう。

監査法人で担当の公認会計士から、経理がどのくらいできるかの質問をされた。何でも知っている顔をした。それが功を奏したのか、即採用。

ここで、訓示を一つ。面接で知らないことを聞かれても、知っているそぶりをするべし。後でサラリと勉強して、仕事をしながら覚えることができるから。

ついこの前まで派遣社員をしていた私が、一足飛びに、外資系の経理部長。ありうるのです、外資では。

外資系の会社は、その職務を遂行できると判断すると、性別、年功序列、子供のあるなしに拘らず、採用してくれる。だから女性の管理職も多い。

この後、私の仕事人生は大きくアップした。女神がほほ笑みかけてくれたときは、チマチマした躊躇をせずに、チャンスをモノにして。

朝の御堂筋の花
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いい人を演じていたら、それなりの見返りをどこかで期待する。例えば、賞賛の目つきとか、尊敬の念の表象とか云々。

だから、期待したものが得られないどころか、無視などされると落ち込む。こんなにいい人をやっているのに、何よ、ちゃんと返してよって。

だから、いい人を止めると、見返りの期待もしないので反応が悪くても、『はい、はい、分かっていますよ、その態度』って楽になる。最近覚えたテク。

何もいい人を止めて、悪い人になれって言っているのではない。目立たないフツーの人になるだけ。なんて思っていたら、昨日……

東京都の石原都知事が辞任!いろいろコメントはあるでしょうが、フツー人の私など、心底天晴れと思う。やっぱ、いい人でなくても、目一杯やらなきゃいけないなって、活を入れていただいた気分。

大阪の橋下市長もすごい。弁護士をして、テレビで楽しくおしゃべりをしているだけで、優雅な暮らしができたのに。何世代も前のご先祖は、きっと勇敢な戦国武将だったのでは。ルーツをたどるなら縄文時代まで遡れ、アサヒのあんぽんたん。

そんなこんなで東西の雄、元気の無いヒッチャカメッチャカな日本に、ドーンと活を入れてください、ついでに多くのフツー人にも、ネ!

バラと空
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子供が小学校に上がる前、よんどころない事情ができて、日本に戻ってからずっと勤めていた会社を辞めた。そして暫くの間、派遣で二、三社をかけもちして働いた。

その間、『派遣社員は見た』という、市原悦子さんの向こうを張れそうな、面白い体験をした。また、一族郎党経営の会社では、親族同士四つ巴、五つ巴のネチャネチャの人間関係を目の当たりにして、一人つぶやいた、「これってリアル?」

アメリカ方面にも展開している会社で派遣社員として働いていたとき、グァム島に出張で十日間の監査に行かされた。本社経理課ネコババ事件を摘発したので、グァム島も調べさせようということになったようだ。

その会社からグァム支店に責任者として派遣されていたのは、ぶっとんだ日本人マネージャーだった。経理監査の結果、特筆すべき問題もなかったので、そのオジサンにあちこち島内を案内してもらった。その間駄洒落連発、取捨選択をして笑った。

「ここにはシーラカンスがいるのよ」と言いながら扉を開けると、奥からのっそり出てきたママ、確かにシーラカンスに……

立派なホテルの支配人とも懇意で、眺めの良いテラスでランチをいただきながら、文字通り三人でゲラゲラ大笑い。オジサンのぶっとびが、支配人氏と私にも飛び火したのだ、キツネ憑きのように。

グァムから帰った後、「何か不正があったのではないか」とオーナー一族の期待を込めた眼差し。即座に首を振った私。がっかりした様子の一族郎党。にんまりとしながら心の中でつぶやいた「派遣社員に見残しはありません」

グランドラパと花
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二歳の子供を連れてアメリカから日本に帰って来て、すぐ見つけた仕事は、コンピュータ関連会社の株式公開プロジェクトチームの一員という重責。

面接のとき始めて会った社長はゲタ履きで現れた。子供がいると分かって、「え、お子さんがいらっしゃる。え、二歳!」と仰天した様子。その後、すぐに立ち直り「お子さんの具合が悪いときは、遠慮なく休んでください」との優しいお言葉。

世の中には、適当にその場を切り抜けるためだけに、旨いことを言う人がたくさんいる。けど、この社長は違った。正社員で採用され、保育園の園長先生から「お母さんのお給料が高いから、保育料も高いのですわ」と言われるだけの給料をいただいた。職場もトレンディなビルの高い階にあった。

社員も皆優しく、夕方になると、「五時ですよ、保育園で待っていますよ」と口々に言って、五時半まで会社に居させてくれなかった。子供が二歳から小学校に上がる直前まで、一番大変な時期に理解のある会社で働くことができて、本当にラッキーだった。

今、母子家庭の平均所得は一般家庭と比べてかなり低い。企業のトップの方々は、国民みんなで子供を育てるという大局に立って、困窮家庭の母親を積極的に正社員として採用していただきたい。

それにまた、お母さん、収入アップを目指して資格試験にチャレンジしてみませんか。例えば経理(簿記三級か二級等)と英語(電話の受け応えと簡単なメール書き等)がソコソコできれば、外資系でも働けるので選択肢が広がります。

勉強しているお母さんを見て、子供もガッツのある子に育ちます。それに何より勉強を始めると、希望が背中を押してくれます、小春日和の春風のように。

コスモス2
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セブ島のリゾートホテルに泊まっていたとき、そこのプライベートビーチに怪しげな船が現れて、船頭らしき男がおいで、おいでをした。

何だと思って行くと「おかさん、明日ムジントウへ行かないか」と日本語で言う。「サカナがいっぱい」というので、行くことにした。すると、ランチの材料を買うので少し前払いをしてくれと言う。はてなマークだけど、お金を渡した。

次の朝、迎えにきた船を見てびっくり。乗組員が五人もいたのだ、おまけに乗客は子供と私だけ。ムジントウへ着いたとき、子供はおんぶされて船から陸に渡った。その後船長が「おかさんも」と言って背中を差し出してくれたが、遠慮した。

「バーベキューの前にボートでサカナ見る」と言って、熱帯魚のたくさんいるスポットでシュノーケリングをした。「サカナがいっぱい」にウソ偽りはなかった。まだ居たいのに、「おかさん、ボウヤ、おなかすいた」と言って、無人島に引き返した。

小さなムジントウはブーゲンビリアがワサワサ咲き、きれいな海に囲まれて素敵なのだけど、難は人が多すぎ。聞こえるのは日本語だけ。ムジントウは無人島と書くのよ。

昨日渡したお金で、よくまあと思うほど食材を買い込んでいた。燻製になりそうなくらい煙でいぶされながら、子供と二人でバーベキューを食べた。乗組員はバナナの葉っぱで私と息子を扇いでくれた、というかハエを追っ払っていた。

我々二人が食べ終わった後、「おかさん、こんなに残して」と言いながら、五人で食材を全部平らげた。たっぷり食べるのも料金に含まれていたのか、リーズナブルな料金だった。後で、ホテルのプールサイドに寝そべり、クスリと思い出し笑い。

数年後セブ島に行ったとき、ビーチでムジントウ行きの船の船頭から『オモニ(韓国語でおかあさん)』と声をかけられた。なるほど耳をすませると、聞こえてくるのは韓国語ばかり。時代は変わったのね。
    ムジントウ
        
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こんにちは!FC2ブログトラックバクテーマ担当山本です今日のテーマは「やってみたい芸術教えて!」です。秋といえば・・・食欲!という方も多いと思いますが(笑)芸術が深まるのも秋ではないでしょうか各地で色々なアートフェスタや展覧会が開催されているのであまり興味がなくても行ってみたくなりますよね機会がないと芸術に触れ合えないと思うのですがチャンスがあればやってみたい芸術って意外とありませんか?陶芸だった...
トラックバックテーマ 第1535回「やってみたい芸術教えて!」



やってみたい芸術は、ビートルズの歌で有名なペーパーバックライターになること。アメリカでペーパーバック、それもミステリー系のを読むと、ギャッとするくらい面白いものに出会う。それこそ、読み終わるまでそわそわと落ち着かない。

ただ日本語に翻訳されたものを読むと、訳分が固すぎてゾクゾクさが伝わってこない場合が多々ある。もっと硬い文章(の本)の場合、翻訳されたものはバッチリなのですが。

だから、空港や海外のお店で、ペーパーバックを見つけたら、是非購入してみましょう。本筋に関係ない、分からない英語はすっとばして読めばいいのです。面白いものを見つけたら、きっとファンになりますよ。

結論、やってみたい芸術は、とっておきのペーパーバックを書くことでーす!

        チャンギ空港
  


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遠くにある私立の小学校に通い、放課後や休日には、びっしりと習い事をさせられている子供がいる。一体、いつ遊ぶのだろう。親は自分の願望を、子供に押し付け過ぎているのではないだろうか。

子供は遊びの名人。放っておくと何時間でも遊んでいる。でも、毎日勉強と習い事でアップアップの子供は空想力が育たず、勝手に遊んでいいよと言われても困るんじゃないかしら。言われたことはするけど、自分で考えて何かを開拓していく気力も想像力もなくなるのでは。
  
我が息子が小学校低学年の頃、アメリカ時代の記憶が戻るかと思い、英語スクールに入れてみた。しかしいつまでたっても“ハローハロハロ、ハローハロハロ”だけだったので、即止めさせた。時間とお金の無駄。中途半端に覚えさせても、何の役にもたたない。幸いなことに、英語は後で十分身につけることができる。

スイミングスクールにも通わせてみたが、あまり乗り気でなかったので、半年くらいで止めさせた。やっている本人が好きなことでなければ、無理にさせる必要はない。中学生になってバスケ部に入り、三年間殆ど休むことなく練習をしていた、結構楽しそうに。だから、根性の問題ではないと思う。

目一杯のスケジュールで幼少期を管理すると、いつまでも失われた子供時代を求めて、ちゃんとした大人になりきれないような怖さがある。

それに、親に意に沿わないことをされたときの悔しい記憶を、子供は決して忘れません。こんな、ゆる親(me)でも、何か事があると言われますからね、「あの時、ああさせてくれなかった」って。

四条大橋
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こんにちは!FC2ブログトラックバクテーマ担当ほうじょうです。今日のテーマは「子どもの頃にやった失敗」です。私は全く覚えてないのですが、ほうじょうは子どもというかおそらく幼児の頃に、パン屋さんのパンを勝手に食べてしまったことがあるらしくもういい歳なのに、未だにそのネタを引っ張りだしてこられて親にいじられます。私は覚えていないのに……。パン屋さんごめんなさい(もちろんお金は親が払いました)子供の頃っ...
トラックバックテーマ 第1534回「子どもの頃にやった失敗」



子供の頃の失敗ですぐに思い出せるのは、大きなクリスマスケーキに載っていたかわいいサンタさんを、お菓子だと思って食べたら、ローソクだったというたわいのないもの。

本当はサザエさんのカツオのような失敗をよくしていたのですが、都合の悪いことは思い出せません。

かなりのお転婆で、小学校低学年のとき、男の子を教壇で投げ飛ばしたこともありました。あれは失敗というより、天晴れかな、その子、嫌な子だったから。

母に時々思い出し笑いをされるのは、私が高校生のとき親戚の赤ちゃんをおぶって柿の木に登っていたということ。今でも柿の木を見ると、ちょっと恥ずかしくなります。

         コスモスと柿木
  
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ラスベガスは素敵だ。あの雰囲気が好き。マカオがラスベガスを越えたといっても、それは訪問者の数とお金だけのこと。中国大陸から大挙して訪れる観光客には、ラスベガスは(幸いなことに)遠すぎる。

ラスベガスは、そこに居るだけで楽しい。砂漠の真ん中にある街全体が、うきうきムード。プレスリーファッションやモンロー気取りのセレブ風もちらほら。

そんなラスベガスで、髪の毛が逆立つような経験をした。まだ赤ちゃんの息子を連れて、親子三人でラスベガスを訪れたときのこと。昼間はサーカスを見たり、ショーを見たりして、楽しく過ごした。事件が起きたのは深夜過ぎだった。

夜10時頃、ダンナと子供が二人並んで眠ってくれた。そこで、これ幸いと一階のカジノに出かけた私。スロットマシーンのポーカーで楽しく時間を過ごし、深夜12時過ぎに部屋に戻った。

部屋のドアを開けてギョッとした。いたのだ、警官が三人も。そして、その中の婦人警官の胸に、抱っこをされた息子がいた。完全武装をした警官が言った、今にも銃を構えそうな怖い顔をして。

「子供の泣き声がするという通報があった。駆けつけると、子供が部屋に一人で居て、泣いていた。幼児を一人で置いておくのは法律違反だ」

よく見ると部屋の隅に小さくなっているダンナがいた。彼がボソボソ日本語で言うには、私を探しにカジノにほんの少しの間行って帰ってきたら、既に警官が居た。そして付け加えた。「下手をすると逮捕されるかもしれない」

その時だ、私の髪の毛が逆立ったのは。俄然、警官相手に説得を始めた私……
「夫がいたので、私は出かけた。そして夫は、ほんの少しの間、私を呼びに部屋を出ただけだ。本当に、ほんのちょっとの間だけだ」完全直説話法で。

多分、私が物凄い形相をしていたのだろう。警官三人は顔を寄せ合って相談をしていたが、やがて言った。「今回は許すけど、今度こういうことをしたら、即逮捕する」 ひえー! 
それ以来、警官を見ると、子供を手元に引き寄せるようになった私。アメリカって、何だかスゴイ!

ラスベガス
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子供が小さいとき、ロサンゼルスの帰りにハワイに寄った。ハワイ空港で子供をトイレの入り口に待たせておいて、私だけトイレに入った。トイレから出ると、息子はアメリカ人の少女に抱っこされ、その隣には、やはり十代半ばくらいの少女が眉間に皺を寄せて立っていた。

「こんな小さい坊やを、こんな場所に一人で置いておいたらいけないわ」
二人に叱られて、謝った私。

子供が小学校低学年の頃、タイのビーチに行った。その帰りにタイの国際空港で子供を搭乗ゲートの近くの椅子に座らせたまま、一人でお土産を買いに行った。思ったより時間がたってしまい、急いで戻ってくると、泣いている子供の周りには黒山の人だかり。その殆どが女性で、スチュワーデスの姿もチラホラ。

私の姿を見ると、全員怖い顔をして、口々に叫び始めた。ヒンディ語やスワヒリ語訛りの英語、知らない言葉、でも言っていることは分かった。
「子供を一人で置いておくなんて、危険極まりない!母親失格!」

最近とみに変わってきたけれども、日本は世界でもっとも安全な国と言われて久しい。外国に行くと、どこに危険が潜んでいるかもしれない。つい、うっかりが、悲劇を生む可能性は大。二人のかわいらしいアメリカ人の少女と、見知らぬ女性の大群の真剣な顔を戒めとしている。国籍は違っても、女性の子供を見る目は優しい。

飛行機
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父親不在状態の家庭が多いと言われて久しい。そのことと母親が子供を殺傷する事件との関連性は高いと思われる。日夜子供とべったりでストレスを溜めこんだ母親の代わりに、お父さん、早く帰って子供を引き受けましょう。

昨日も大阪で、40歳の母親が、赤ちゃんを殺したとの、悲しいニュース。子育てに疲れたというのが、その理由。自分は刑務所、そして可愛い赤ちゃんは永遠に消えてしまった。
何一つ、いいことはありません。なぜ、もう少し我慢ができなかったのでしょう。

時の経つのは早いもの、子供はどんどん大きくなります。子供が幼児になると、『ああ、赤ちゃんのときは二度と戻ってこないのね』と考え、小学生になると『ああ、保育園時代は二度と戻ってこないのね』と母親は寂しく感じるものです、経験から。

子供が生後三ヶ月くらいから、背負子に入れて、セントラルパーク、メトロポリタンミュージアム、MOMA(現代美術館)とあちこち連れ歩きました。ホームアローンに登場した、素敵なおもちゃ屋さんやナイスな公園、そして時にはアムトラックやフェリーにも乗せて。

バラの花の咲く公園、コスモスが風に揺れる田舎道、気になっていた絵画展、海辺のショッピングモール、赤ちゃんや幼児を連れてお出かけする場所はたくさんあります。

お母さん、ともかくクサクサする前に、さっさと背負子に赤ちゃんを入れて外に出ましょう。子育てパートナーのお父さん、夕方大きな顔をして職場を出ましょう、子供は国家の宝なのですから。

         コスモス街道
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我が家の息子は、私が働いていたのであまりかまってやれなかった。小学校低学年時代、忘れ物(母親手製の雑巾や、授業で使う必需品等)をして、家に取りに帰っても、親は居ない、準備もされていないので、家のドアの前に立って、わんわん泣いていたこともザラ。
 
宿題も本人任せにしていたので、ほとんど見てやった記憶が無い。おまけに、平日は東京で仕事をし、金曜日の夜のぞみで大阪に帰って、日曜日の夜また東京へ行くという生活を三ヶ月ほどしたことがある。その間、従妹が面倒を見てくれていた。

父親もいない生活で母親が離れているのが不安でたまらないらしく、私が神谷町の会社を出た後「お母さんをお願いします」と電話をかけ、いないと言うと「どこに行きましたか」とあれこれ尋ねるので、「可愛くて切れなかったよ」と対応した同僚が笑っていた。勿論、広尾のマンションには、毎晩長々とした電話をかけてきた。

今子供が少しでも困った目に合わないように、困難なことをすべて子供が通る前に掃除をしておこうとするカーリングペアレントが多いと聞く。子供はひ弱に育ち、ちょっと面倒なことが持ちあがったら耐え切れず、切れたり、引きこもりになったりする。
 
世の中に出ると、思い通りにいかないことばかりだ。コンチクショーと思っていても、簡単に切れるわけにはいかない。その中で生きていくためには、ひ弱な草食系だと肉食系に食べられるか、世話をする親が老衰で死ぬと餓死する可能性すらある。

困難なことは掃除をせず放っておいて、如何に対処するか横目でチェックするだけにしましょう。ちなみに家の子は、自分は肉食系だと宣言しています。確かに思い当たるフシはあるな、うん。

木陰の小学生
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小さい子供を連れていると、ついつい家に閉じこもりがちになるお母さん、図書館へ行きませんか。図書館は子供を連れて行くのに良い場所です。折り紙教室や、絵本の朗読会など、楽しいイベントもありますよ。また、よその子供と触れ合わせる、いい機会です。

幼児は往々にして、カラフルな絵や動物の絵を見て、心地よく物語の世界に入り込みます。そのとき育くまれる想像力は、始まったばかりの人生を豊かなものにしてくれるでしょう。

ニューヨークからロサンゼルスへ引越しをした後、まだ一歳一ヶ月だった子供を連れて、図書館通いを始めました。

あの頃、リトルトーキョーの近くに日本の食料品を中心に扱う大きな日系スーパーがあり、近辺に滞在する日本人の憩いの場になっていました。その近くに、日本人向けのささやかな図書館があり、日本語で書かれた本を借りることができました。

いつの間にか、スーパーの中のフードコートでうどんや寿司を食べ、その後日本語の本が置いてある図書館に行くのが週末の習慣になっていました。その頃から絵本に慣れ親しんでいった子供は読書好きになり、今もたくさんの本を読んでいます。

図書館に行きましょう。そしていっぱい絵本を借りて帰って、毎晩子供が眠る前に読んであげましょう。子供の情操教育になるだけではなく、親子のコミュニケーションもバッチリになること請け合いです。

子供達
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次々と衝動で人を殺していく『殺人鬼フジコの衝動』を読んでゾッとしたが、フジコよりももっと怖い女がいた。尼崎で身の毛もよだつような事件の全貌が明らかになりつつある。

昨年ドラム缶にコンクリート詰めにされた女性の遺体が、尼崎の貸し倉庫から見つかった。そして今、その主犯として捕まった女が関係する遺体が三体、尼崎の民家で見つかった。それだけではなく、後数人行方不明になっていて、既に殺されている可能性もあるという。

アメリカに最初に着いたとき、ロサンゼルス空港に近いホテルに入った。一歩も外に出ず、窓から外の様子を伺って、『みんなが銃を持っているので、危険極まりない』と戦々恐々。あの時、しみじみ凶悪犯罪の少ない日本に生まれて良かったと思ったものだ。

ところが、今の日本、凶悪事件が頻発している。10月5日も青森市のアパートで女性(31)が同居していた男に犬用の首輪で監禁され、死亡していた。死因は多発性外傷による多臓器不全と発表され、同居男以外にも三人の男女が逮捕されている。

人間に対する尊敬の念や自分に対する誇りの一片も持ち合わせていないのだろうか。
尼崎のドラム缶事件では一人の異常者に支配をされる形で、実の娘も母親の殺人に加担をしている。

あなたの周りにサイコパスはいませんか。平気でウソをつき、周りの人間を疑心暗鬼にさせ、やがて思うように操る、特に女。心が壊れているので平然と殺人もやりかねない、盲目にされたフォロワーを使って。要注意! 冷静にサイコパス・ウォッチングを始めましょう。

いつの間に日本は、殺人鬼や殺人鬼予備軍が身の回りにいる国になったのでしょう。
本当の意味での宗教心の欠如、つまり人間にとって一番大切な良心について見直す必要があると思われるのですが…

京都の坂
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子供が幼い頃、週末は図書館通いをした。絵本をたくさん借りてきて、毎晩眠る前に二冊は読み聞かせた。小学校に上がる前は午後7時半には寝床に入れ、布団の横に寝そべって一緒に絵を見ながら本を読んでやった。子供は、眠りについた途端、今読んだ絵本の世界にするりと入り込んだのではないかしら。毎晩、違う絵本ワールドへ。

この習慣がつくと、子供が寝た後自由な時間が取れ、読書をしたりテレビを見たりと、自分の時間が楽しめた。今、やたらと遅くまで起きている子供が多いようだが、子供だけではなく親も疲れるので、習慣を改めたらどうだろう。

もしあなたが新米お母さんなら、幼いときから、是非子供に早く寝かせる習慣をつけてください。夜遅くまで子供べったりだと、しんどいでしょう。早く寝かせると子育ての負担が減り、ますますかわいく思えてくるものです。

尤も、たまには子供にも息抜きが必要。息子が三歳のとき、元ダンナの実家に一人で泊まったときのビデオを見て、口をアングリ開けた私。そこに写っていたのは、深夜過ぎにアンマンを一口齧っては、次のアンマンを齧るという、とんでもないことをしている息子。

弟に当たる叔父さんに「お母さんに言うぞ」と言われると、顔を歪めて「言ったらいやー!」と叫んだ後、又アンマンにガブリ、とっても幸せそうな顔をして。

そうです、たまにはおじいちゃんやおばあちゃんのところに一人で泊まらせ、大いに甘やかしてもらいましょう。子供はそうして、大人に対する匙加減を身につけていくのですから。

よく、ご主人の親が来たり、ご主人の実家に子供を預けたりするのがいやだという母親がいますが、論外です。自分の実家だけではなく、ご主人の両親にも、ビシバシ子供を看て貰いましょう。心のギヤを一つ変えるだけで、グーンと楽になりますよ。

春の加茂川
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マレーシアの手付かずの孤島に小汚い(すみません)漁船で渡った。漁船は島々に住む人たちの貴重な交通手段。みんな、本土で買い物をした荷物を持ってうれしそうに自分の島で降りていく、たった一人の旅行者(me)に素敵な笑顔を振りまきながら。

最後に着いた私の島は、のけぞるくらい素晴らしかった。トロピカルブルーの海に面して延々と続く真っ白なビーチ、それに沿って風に揺れるココナツツリー。ホテルは無く、あるのは原始的なバンガローが三つ四つだけ。

『ああ、ここは究極のパラダイス、そうよ、文明的なものは何も無いのよ!』
でも、高揚した気分はすぐに萎えた。何故って? 無かったのよ、トイレも。

海辺に面したバンガローの後ろの熱帯林の中に穴を掘りながら、暗い気分になった。蛇に噛み付かれたらどうしょう、人に見られたらどうしょう、あれこれ考えると、相当深刻だ。

でも思いがけない援助の手が差し伸べられた、WHOからではなく、隣のバンガローに泊まっていた二人のフランス人のポストマンから。日頃から国民に対する奉仕の精神が植えつけられている彼らは、日本国民にも奉仕してくれたのだ。

つまり、下世話な話で恐縮ですが、私が熱帯林の中のトイレもどきを使用しているときは、大分離れた位置でこちらに背中を向けて立ち、蛇一匹通さない覚悟で見張り番をしてくれたのです。

あれ以来、フランスがグッと身近に感じられ、高感度が急上昇。
国内外で困っている外国人がいたら、手を差し伸べてあげて。助けられた人の日本に対する高感度はグッとアップ。プチ外交官の本領発揮です。

あの島も今ではホテルが立ち並び、大勢の観光客が押しかけているときく。二度と味わえない、殆ど原始状態の島での素敵な数日は、心の宝物の一つになっている。

無人島
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先日旅立たれたアンディ・ウィリアムズの歌う『ゴッドファーザー愛のテーマ』を聴きながら、思い出したのはニューヨークの混雑する市場でのできごと。

生後10日になったばかりの子供を抱えて、夕方近くの市場に食材の買い出しに出かけた。いろんな国から集まってきた人たちのお国言葉が飛び交う、一日で一番混雑する時間帯だ。

そんなとき、ソーセージやハムを山のように並べたカウンターの中にいた肉屋の主人が、子供を抱かせてくれと言った。カウンター越しに手渡すと、腕に抱えた息子の寝顔を見ながら 「ハウ オールド?」と聞いたので、「ちょうど10日目」と答えた。

東欧系大男の主人に抱かれるといっそう小さく見える息子を、彼は頭の上に持ち上げて叫んだ。
「みんな、見てくれ、生まれてたった10日目の赤ん坊だ。10日だぞ!」
笑顔を浮かべた買い物客がカウンターの前に集まってきた。そして口々に叫んだ、「神のご加護がありますように」。 まだ目も見えない息子のために、温かい言葉のプレゼントに胸が熱くなった。

子供を持ち上げた肉屋の主人と、それを囲む人々が居た市場の風景は、スクリーンで見たゴッドファーザーや、タイタニックのディカプリオが走り回っていた頃のニューヨークと何ら変わりはなかった。どちらもセピア色で懐かしい。

三ヵ月後、背負子に入れた子供と一緒に見た、夕闇に浮かび上がるセントラルパークのピンクのバラと共に、あのときのセピア色の光景はいつまでも心に残っている。息子の心にも残っているかしら。

          たそがれのうつぼ公園




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ニューヨークヤンキースに移籍したイチローが明るい。孤独な表情を見せることの多かったマリナーズ時代と比べて、打率も飛躍的に伸びている。マリナーズでの今季前半の打率は0.261、それが、ヤンキースへの電撃トレード以降、9月の打率は0.385になった。

万年最下位のチームで一人目立っていたイチローに、チームメンバーの視線は厳しかった。襲撃計画もあったときいて驚く。ふと、『不機嫌な会社』というベストセラーのタイトルを思い出した。

イチローは今、ニューヨークの風に吹かれているに違いない。

私もアメリカ南部に四ヶ月いた後、ニューヨークに移ってから水を得た魚のように元気になった。何が良いのだと言われれば、自分が何人であるかを考えることなく、心がとっても自由になるからだ、と答えるだろう。

それに、百以上の人種が住み、最先端の、時にはギョッとするファッションや文化が闊歩するニューヨークは、そこに居るだけで楽しい。死にもの狂いで食らいつけば、日本ではできないチャンスをモノにすることもできる。

ニューヨークで多くのチャンスに恵まれながら、家庭の事情で子供だけを連れて日本に帰ってきた。でも苺フィールド(セントラルパーク内にある)の傍の病院で生まれた子供は、今大きな夢に向って邁進している。彼もきっと、ニューヨークの風に吹かれたに違いない。

               ニューヨークっぽい古い建物と花
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以前勤めていた会社で、全国から社員が熱海に集結した社員旅行、あわや関が原の戦いが勃発しそうになった。
それは大奥ならぬ、大旅館の女子社員の寝所で起こった。

宴会も終り、大阪支店の女子社員も浴衣に着替えて寝床に入った。うとうとしていた私の名前を呼ぶ声がしたので目を開けると、薄暗い行灯の明かりの中に浮かび上がったのは、白目を剥いた先輩の生瀬(なませ)さんの顔。

驚愕した私は、並んで寝ていた女子社員たちの上を飛び越えて走り回った。きゃーと言って、全員が起き出した。ひとしきり大笑いした後、冷蔵庫からビールやワインを出してきて、夜中の宴会がスタート、和やかな雰囲気で。

と、その時、キンキン声が響き渡った。「何をやってんの、あなたたち!静かにしてよ!」
襖の向こうには東京本社のお女中たちが陣取っていたのだ。不意をつかれて、大阪支店の女達は一瞬シーンとした、が……

「何や、その言い方は、えらそうに!」と、生瀬さんのドスのきいた声。すると、「うるさいわね、そっちこそ何時だと思っているの、いい加減にしなさいよ」と相手も負けていない。生瀬さんに匹敵する大将が向こうにもいたのだ。

とうとう生瀬さんが宣戦布告をした。「面白いやん、やる気なら受けてたつで」
その声に西軍は全員武者震いをした。こうなれば闘うしかない。襖の向こうでも、東軍が戦闘態勢に入る気配。

今まさに、間の襖が生瀬さんに蹴破られ、関が原の戦いが始まろうとしたその時、宿の人たちに先導されてスカブー(好かん部長の短縮形)が転げるようにして、入ってきた。後ろに課長もいる。「まあまあ、君たち、落ち着いて。さあさあ寝て寝て」と西軍東軍をなだめて回った。東西両陣営ともブツブツ言いながら矛を収めた、スカブーの顔に免じて。

昨日世田谷で起きた、日本刀を持った男が女性を殺した後自殺するという立て篭もり事件、防ぎようがなかったのだろうか。スカブーや課長のように間に立つ町内会の長たちはいなかったのだろうか。ほんわかとした昭和は遠くなりにけりで、本当に胸が痛む。

    大阪駅屋上菜園のかぼちゃ
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以前、全国的に営業展開をしている会社に勤めていたとき、日本全国の社員一同が、社員旅行で熱海に集結した。さっそくみんなで、熱海後楽園のオバケ屋敷に入った。

怖いので、前の人の体に次々と腕を回してムカデ状になり、十人位で一列になって入った。ところが何時の間にか、私は一人になっていた。待ちかねていたように、さっそく前から、長い髪をした特別不気味なお化けが近づいてきた。

断末魔のような悲鳴が屋敷中に響き渡った、もちろん私の。何度も叫ぶので、うるささにたまりかねたのか、オバケがお尻を見せて逃げようとした。その時、私の足がまるで脚気のテストの時のように、勝手に跳ね上がった。そしてあろうことか、オバケのお尻を蹴り上げたのだ、それも思いきり。

その途端、オバケはクルリと振り向くと、長い髪の毛と怖いお面を剥ぎ取って、叫んだ。
「何しやがんでぇ、この女(あま)!」お面の下から出てきたのは、オバケより数段怖い顔をしたオヤジ。ヒェー、一難去ってまた一難と思ったとき……

「まあまあ、ここは私に免じて何とか……」と言いながら出てきたのは課長。『どこにいたのよ、もっと早く出てきてよ』と腹の中で毒づいた私。

課長はオバケならぬ茹蛸オヤジに名刺を差し出して、ぺこぺこ頭を下げて謝っている。オバケも出鼻をくじかれたのか、又ズボッと商売道具一式を頭からかぶると、仕事に戻った。

オバケ屋敷の前を通るたびに、「何しやがんでぇ、この女(あま)!」と言ったオバケと、名刺を持って出てきた課長を、懐かしく思い出す。
                                                                                 ユニバーサルで遊ぶ人々
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久々に日本人であることに誇りをもてるニュースが日本列島を駆け抜けました。
山中教授、ノーベル賞医学生理学賞受賞、おめでとうございます!
テレビを見ていて、「どうしたら、家の子を、こんな人に育てることができるのだろう」と思われた方も多いのではないでしょうか。

「今日もビールを楽しみに25キロ走っていた」とか、「洗濯機の脚がガタガタいうので、しゃがんで治していたらスウェーデンから電話がかかってきた」とか、答えておられるのを聞いて、ほほ笑んでしまいました。

臨床医師としては手術が下手で、人が20分で終るところを2時間かかるので、邪魔中と呼ばれていたとのこと。そこで、基礎研究へ転進されたのだということですが、もし手術が上手だったら、革命的な大発見をされることもなかったのかなと思うと、神の見えざる手を感じます。

『博士研究員としてグラッドストーン研究所へ留学し iPS細胞研究を始める。その後、帰国して日本の医学界に戻るが、その研究環境の酷さに絶望し、ノイローゼ・うつ病状態になる』という記事を読んで、アメリカの研究環境の素晴らしさを再認識しました。今、アメリカへ留学する日本の若者が激減していますが、これを機に増えてほしいものです。

この快挙で、周辺諸国とギクシャクしている日本に、『陽はまた上る』的、希望の光を降り注いでもらったような気がします。自分の信念に沿って、やりたいことを一生懸命やり、成果を上げている山中教授に深い尊敬の念を感じます。

http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2012/index.html#
山中教授へのお祝いのメッセージを上記のサイトで送りましょう。私も昨夜送りました。

「山中氏の研究は、創造力に富んだ天才によるスリリングな物語だ」とは、グラッドストーン研究所の所長の喜びのメッセージです。

            ビル街の朝
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「ルンルン気分とランラン気分で英語をモノにするなんて、できるわけないでしょう。TOEICはどうすんのよ、バカ」と、単語、熟語、文法で血の滲むような努力をしてきた『おしん型英語の達人』に言われる前に一言。「TOEICもできるんですねえ、それが」

一昨日のブログ、『ルンルン気分とランラン気分で英語をモノにしよう』に書いたように、耳が慣れると共に、自分も慣れと開き直りでだんだん話せるようになってくる。そうなると、英語を「かわゆい」と思えるようになるんです。

今、企業などで強制受験も増えたTOEIC、課長は650点以上とか細かく基準があり、けっこう心痛になっている人が多いのでは。試験時間は45分間で50問のリスニング、75分間で50問のリーディング、合計2時間、内容はてんこ盛り。

高得点をとるには、リスニングをモノにするのがカギ。既に英語が「かわゆく」なっているあなたには、集中すれば聞きとりはできるはず。写真問題、会話問題、応答問題で満点をとるくらいの気持ちで臨みましょう。コツは、問題文で読まれた単語に合わせた、いかにもというバツ回答を見抜くこと。そして説明文問題は、半分取れればいいや、くらいに気楽に考えるのがミソ。

英語が「かわゆく」なっていると、リーディングの文法練習問題も、随所に『未知との遭遇』もあるでしょうが、それなりに前向きに取り組めるはず。ボューム満点の長文読解対策としては、ヤフーアメリカなどで英文記事に慣れておくこと。分からない単語はすっ飛ばし、キーの部分だけ、エキサイト翻訳やグーグル翻訳でチェック。

さあ、たっぷり練習問題を入れたウォークマンを耳にあて、手には英語のペーパーバックを持ち歩き、ルンルン気分とランラン気分でTOEIC800点を目指しましょう。そうすれば、650点は難なく取れるはず。

         御堂筋の空
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朝一番にショッキングなニュース。33歳の母親と14歳の息子が、男子生徒が通う中学校で、バスケ部の顧問の男性教諭(26)に、顔や腹を殴る、踏みつけるなどの暴行を加え、1週間のけがを負わせ逮捕された。(MSN産経ニュースウェスト)
息子を止めるべき母親が、一緒になって暴行をするとは、世も末だ。

過去には、園児同士のケンカで、自分の子供が軽い引っかき傷を負ったことに激怒し、つきっきり保育を要求した保護者が、退所後も苦情や非難を続け、女性園長が保育所敷地内で灯油をかぶって焼身自殺した。

また、市立小学校に着任した女性教員が、一部の保護者から深夜に携帯電話に苦情電話をかけられ、連絡帳で人格攻撃されたりした結果、自殺した。

モンスターペアレントの自分の子供にたいする特別要求は異常だ。

自分の子ども専用の教員をつけろ。(集合写真の中で)自分の子供が不利に写っている。遅刻しがちの子どもを担任が迎えに来ない。塾通いで疲れているので、授業中は寝かせておくように。運動会の組体操の位置がよくない。担任をかえろ。方言を話す先生に、標準語を話せ。教諭が体罰を加えたと因縁を付けて金銭を要求(恐喝罪で逮捕)。

こんな親は確信犯的なところがあるので、対処する側は説得不能の恐怖と無力感を抱いてしまうのではないだろうか。モンスターペアレントに育てられた子供が社会に出たら…… 一昨夜ぶつかってきた若者が、誤るどころか怒って行ってしまったとき、ふと感じた恐怖――他人への配慮の病的な欠如。

「既に子育てを経験している、経済的な余裕はないが教育ママ度はそれなりに高い、パート勤務の母親」が学校への信頼度が突出して低いというターゲットプロファイリングの結果もあるそうだ。

少し肩の力を抜き、子供と一緒に風に揺れるコスモスでも眺めましょうよ、お父さん、お母さん。保育園や学校の先生に、のびのびと教育をしてもらうことこそが、自分の子供にとって最良のことですもの。

           何をみているの
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初めて外国に行ったとき、ユーレイルパスで北は北極圏のナルビクから、南はアルハンブラ宮殿のあるグラナダまで、ヨーロッパ縦断の旅をした。列車の中で、駅のカフェテリアで、ヨーロッパ中の若者が話しかけてきた。

スェーデンを走る汽車の中で、私の荷物を自分達の席まで運んでくれたドイツの学生達がギターを弾き始め、列車中の若者が集まってきてビートルズの曲の大合唱となった。楽しかった、けれど悔しかった。英会話がちゃんとできたら、せっかくあれだけ集まったヨーロッパの若者たちと、もっと心に響く会話ができたのにと。

紆余曲折を経て、アメリカ南部のかわいらしいスプリングヒル・カレッジに付属する英語コースに飛び込んだ。一ヶ月間週末はニューオリンズにジャズを聴きに行ったりしながら、あまり勉強はしなかったけど、耳は英語をキャッチし始めていた。

その後、アトランタのジョージアテックの三ヶ月間英語コースに移った。ここでも目覚しく勉強はしなかったけど、アメリカ人の言うことが分かるようになり、近所のおば様とシェークスピアを観に出かけたりした。

その後ニューヨークのマンハッタンにあるCES英会話スクールに入り、三ヶ月弱、エクスカーションを楽しみながら英会話を身につけた。ヨーロッパからの生徒が多く、良い友達もできた。

その後ニューヨークで働くことになったのであるが、大して勉強はせずに、何とかやっていくだけの英語力が自然に身についたような気がする。大切なことは、相手の言っていることが分かること。

英語を身につけたいあなたに一言。
ウォークマンで英会話を聴いて英語に耳慣れながら、10日前後の短期留学に出かけることを薦めます。ハワイやフロリダならリゾート気分、ニューヨークやロスなら旅行気分で楽しく勉強できるのでは。

お金がなくても、若者ならワーキングホリディを利用して1年間滞在するという手もあるし、フィリピンなら手頃な価格で、ノリのいいロコとおしゃべりも楽しめる。

ともかく一度英語を話す人の間に入って、ルンルン気分で身につける方法が一番。単語や文法ばかりで苦痛だった英語が、グーンと身近になりますよ。その後は、チャンスを見つけたらともかくしゃべりましょう、ランラン気分で。
     
      マカオ MGM蝶
    
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いろいろ見聞するに、ママ友で疲れている人多そう。嫌だったらやめてしまいましょう。
ママ友という言葉は嫌いです。他を排除し、狭い世界の中で神経を張り詰めた付き合いが行われている…… そんな響きがあるからです。

ニューヨークで出産後、精神予防性無痛分娩法のラマーズ法で同じグループだった、専業ママの集まりに一度だけ参加しました。全員、駐在員の奥様方です。そのとき感じたのは妙な違和感でした。話がかみ合わない、テンポが合わない、そして気付いたのは関心をもつ事柄が違うということ。自分達の世界にだけ強い関心があり、外の世界のことにあまり関心がないので、面白くない。次のお誘いは断りました。

閉鎖された世界で、お茶に誘われたけど会話に入れなかったとか、私ぬきで食事に行っていたとか、チマチマ考えていたらおかしくなってしまいます。だからお母さん方、ママ友に疲れたら、そっと抜け出して、将来に備えて勉強をしましょう。自分のやりたかったことを始めたり、パートで働くのも、他の世界に入れて楽しいのでは。

ママ友の集まりでぐったりして子供のことがおろそかになるようなら、本末転倒。思い切ってママ友という言葉を自分の中でチマ友に変えましょう。本当に心の通じる人はシンプルで力強い『友達』でいいのです。

私は働きながら子供を育てていたので、ママ友は一人もいませんでした。欲しいとも思いませんでした。平日は忙しく、週末は子供を連れてあちこち楽しくお出かけしていたので、ママ友とつるむ時間はなかったのです。

    うつぼ公園
          
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海 夏碧

Author:海 夏碧
自分の足で歩き回った国は60ヶ国以上、ニューヨークとLAで会社勤めを経験。一人で子育てをしながら、外資系の会社の管理職を歴任。アイスバーンを運転してスキー場に行き、タンクを背負ってサンゴ礁を遊泳。目下、楽しめる起業を模索中。


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