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ニューヨークの夏の暑さはどこにも負けない。そこで噂に聞いたカナダとの国境に近い避暑地、メイン週のバーハーバーで休暇を過ごすことにした。

マンハッタンのペン・ステーションからアムトラックでボストンのサウス・ステーションに到着。ボストン茶会事件(1773年12月16日に、イギリスの植民地政策に怒った植民地人の急進派が、イギリス東インド会社の船荷の紅茶箱をボストン湾に投棄した)の現場に急行。

こういう反骨精神は好き。英語でBoston tea party といわれるこの事件は、今アメリカで盛んなTea Party に結びつくのね。ふうん、なるほど。

夕方、メイン州行き長距離バスの出るバス・ディーポに行くと、何とバスの出るのは翌朝六時。市内は観光客でごった返していて近くのホテルは満員だ。仕方がないので、バスディーポで朝までバスを待つことにした。外のベンチなので、とても暑い。

周りでは、ラジカセのボリュームをいっぱいにして、黒人の若者達がしゃべったり踊ったりしていた。あまりにうるさいので、「ねえ、ちょっと静かにしてくれる」とか「ラジカセのボリューム落としてよ」と注意して回った私。

多分そんなことを言われたことがない彼らは最初はポカーンとして私を見た。そして、その後大声で笑い始めた。すると、そこにフランク・ルーズベルトの子孫のような紳士が現れて、私を手招きする。

連れて行かれたのは、バスディーポの端に立っている小さい建物の中のマネージャー室。彼は親戚のおじさんのような顔をして言った。「朝バスが来るまでここにいなさい。絶対外に出てはいけない。言いつけを守ると、おいしい朝ごはんを持ってくるからね」

その後、外から鍵をかけると、彼は帰ってしまった。部屋は冷房が入っていて快適そのもの。私はソファで朝までぐっすり。極楽、極楽。

翌朝、マネージャー氏は、手にクリームチーズとブルーベリージャムをサンドしたベーグルとアメリカンコーヒーを持って登場。にこにこしながら、朝一のバスに乗る私を見送ってくれた。

もし、あの時あのマネージャー氏がいなかったらと思うと…… 彼のとった適切な行動を本当にありがたく思う。ホットなボストンの夜に起こった、ホットでハートフルなエピソードです。

         夜のボストンハーバー
           


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海 夏碧

Author:海 夏碧
自分の足で歩き回った国は60ヶ国以上、ニューヨークとLAで会社勤めを経験。一人で子育てをしながら、外資系の会社の管理職を歴任。アイスバーンを運転してスキー場に行き、タンクを背負ってサンゴ礁を遊泳。目下、楽しめる起業を模索中。


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